* New Symphony Wind Orchestra
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初来日・・・
 「管弦楽のために書かれた作品を、吹奏楽で、オーケストラ以上に芸術的な高みをもって演奏したい」 − 新交響吹奏楽団のこの演奏理念は、創団の年(1961年)に初来日したフランスの「ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団」に触発されたものといわれています。
 以来、新響では「オーケストラよりもシンフォニックな響き」を目指して、その編成や配置においても、さまざまな工夫をしてきました。
 新響のコンサートに来る機会があったら、そんな工夫を探してみるのも楽しいかもしれません。こんなところに注目してみてください。




1.「管楽器パート」と「弦楽器パート」を分ける
 コンサートが始まったら、フルート奏者の座っている位置を確認してみてください。同じフルートでも、ヒナ壇に数人、フロアに多数と分かれて配置されていることがわかると思います。
 これは、ヒナ壇は管楽器パート、フロアは弦楽器パートと区分した上で、オーケストラと同じ配置を採用しているのです。ヒナ壇の奏者は原曲の「管楽器」パートを演奏。一方、フロアの奏者は見た目こそ管楽器ですが、内心は弦楽器になりきっており、弓のアップ・ダウン 、アルコとピチカートのニュアンスの差までマニアックに意識して演奏しているのです。(音にどの程度現れているかは別として)

2.「管・打セクション」は、オーケストラそのもの
 新響の「管・打セクション」は通常のオーケストラにおけるそれと全く同じ。クラリネットはA管を持ち替えるし、配置面でもフルートとオーボエの間、クラリネットとファゴットの間の軸線が指揮者の正面に来るようにセッティングするなど、とにかくちょっと過剰なくらい妥協せずにオーケストラ流儀なのが特徴です。
 オーボエの発するチューニング音も、もちろん「A」で、「まず弦パート→そのあと管パート」とオーケストラ編成を意識した順番で音合わせをおこないますので、このあたりにも是非ご注目ください。

3. 木管楽器で奏でる、超絶なる「弦」の調べ
 ステージ上のフルートの人数を見て驚く方がいるかもしれませんね。普通の吹奏楽団ではちょっとあり得ない人数です。それもこれも、「弦」の充実のため。フルートとクラリネットは主にヴァイオリンのパートを必死になって再現、どんな超絶なフレーズも、最後はとにかく何とかしちゃいます。
 サクソフォンも含めて、新響の木管群は皆、筋金入りの「弦パート奏者」。音色が、唄い方が、合わせる「心」が、そして不可能(な運指)を可能にする執念が、とにかく一味違います!

4. 円錐型金管楽器による、柔らかな「弦ライン」
 上述のギャルド吹奏楽団では、通常の金管とは別に、サクソルン属と呼ばれる円錐型の管形状を持つ音色の柔らかい金管楽器を、全音域で弦パートに充てていました。オーケストラにおける弦5部は、どの音域も音色が統一されているので、吹奏楽においても同属楽器で全音域の弦をカバーできれば、同様に音色の統一が図れるというわけです。
 新響では、コルネット、フリューゲルホーン、ユーフォニウム、テューバで弦ラインを構成し、往年のギャルドスタイルと同様の効果を狙っています。

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